泣くな!
目玉が凍る!
スポーツドラマ界の旗手・塀内夏子が紡ぐ、世界最後の人類未踏峰に挑む登山家、過酷な山に魅せられた男達の物語。
若き登山家の遺志を胸に未踏峰に挑む平岡。未踏峰への強い憧れから家族を残し山へ戻った三上。学生時代からの親友であった2人は交錯する思いの中、日本未踏峰遠征隊に加わる。
クロアチアチームの遭難報を受け、救助に向かう2人だったが、そこにライバル・ヤーリ・イェンセンの姿は無かった。
表紙は雪山の中、凛々しい平岡のアップ。この過酷な環境にも負けず前を見据える厳しい両眼が格好いいです。
技術的にも人間的にも大きくて、いいライバルになりそうだったヤーリ・イェンセンの突然の死。尊敬できる友を失いながらも、残された弟ペテル・イェンセンを生還させようと下山する平岡の厳しさに胸が熱くなりました。確かに生死を分ける救助現場で感情的になる事は禁忌ですが、実行するには本当に強い意志が必要です。そこまで強い意志を持たなくては生きていけない、大自然の厳しさを痛感するエピソードでした。
クロアチアチームもそうですが、日本の新鋭クライマー原田も、何気ない出来事から予測もつかない事故に巻き込まれます。原田の一途な思いが痛々しい。
そして運命は2人のザイルを再び繋ぎます。強い意志の力ゆえに多くの物を背負ってきた平岡と、妻・靖子と平岡の関係に疑念を持ちつつも山への憧れを捨てきれない三上。
正直靖子絡みのメロドラマの件は生々しくて見ているのがツライので、熾烈な未踏峰・大自然の猛威に立ち向かう男のドラマとして今後も期待していきたいと思います。

